IELTS ライティング Task 1:グラフが2つあるときの答え方
IELTS ライティング タスク1 模範解答:2つのグラフを1つの概要でまとめ、本文はグラフ別ではなくテーマ別に分け、20分で書き切る手順を解説します。

目次
IELTS ライティング Task 1 の練習問題はほとんどがグラフ1つですが、本番で初めて2つの図が並んだ瞬間、たとえば折れ線グラフと円グラフ、あるいは棒グラフと表の組み合わせが出た瞬間、20分の時間予算は2つ目を書き終える前に尽きます。原因は語彙ではありません。1分目に下す判断、つまりこのページを1つの課題として扱うか2つの課題として扱うか、にあります。この記事では、2つの図を持つ課題の模範解答を最後まで通し、1つの概要で両方をカバーする方法と、本番前に練習できる分単位の時間配分を示します。
複合課題が実際に求めていること
まず公式の形式を確認します。IELTS アカデミック・ライティングの Task 1 は、グラフ・表・図・図表といった視覚情報を自分の言葉で説明する課題で、150語以上、およそ20分とされています。Task 2 は250語以上、およそ40分で、ielts.org の公開説明によればライティングのスコアに対して Task 1 の2倍の重みを持ちます。同じ説明には、Task 1 では必要な情報がすべて図の中に示されている、という一文もあります。
この点が課題の性格を決めます。IELTS はアカデミック Task 1 を「情報転写の課題」と位置づけ、グラフ・表・図・地図などの事実内容に厳密に結びつくもので、与えられたデータの外側にある推測的な説明は含まないとしています。バスの利用がなぜ減ったのかを問われているのではありません。数字が何をしているのかを、正確に、選びながら示すことが求められています。
2つの図が変えるのは、この作業のうち1つだけです。選別です。答案は1つ、概要も1つのままですが、どちらの図でも重要な特徴は何かを見極めなければなりません。Task 1 の指示文は変わりません。主要な特徴を選んで報告し、関連する箇所で比較する、というものです。2つの図がある場合、この「関連する箇所で」が飾りではなく課題の中心になります。
よくある失敗は、あまりに一般的なので説明は簡単です。第1段落が図Aを説明し、第2段落が図Bを説明する。2つの段落は入れ替えても誰も気づきません。両者を結ぶものが何もないからです。公開されているバンド記述はこの型をバンド5に位置づけ、選んだ主要な特徴が十分に扱われておらず、細部の列挙が主として機械的であると述べています。機械的な列挙とは、まさにそれぞれの図を切り離して説明したときに起きることです。
2つの図に対して1つの概要を書く
概要とは、答案全体で説明する最大の特徴を1文か2文で示したものです。数字の羅列でも、課題文の言い換えでもありません。採点者はこれを明確に探します。公開されている Task 1 のバンド記述では、バンド7の Task Achievement に「明確な概要を示し、データが適切に分類され、主要な傾向または相違が識別されている」とあり、バンド6は「関連する概要を試みている」とだけ求めています。バンド6から7への移動は、長い答案ではなく、より断固とした要約によって起こります。

図が1つのとき、概要は多くの場合、全体の方向を示します。2つのときは、2つの図の関係を示します。信頼できる型は3つあります。
そのまま使える3つの概要パターン
- 同じ方向。2つの図が同じ方向に動くので、概要で一度だけ述べます。
Both charts point the same way, although the pie chart shows that the growth was concentrated in a single category. - 対比。2つの図が互いに逆を向きます。
The line graph shows a steady rise in total journeys, but the pie chart shows that this rise came almost entirely from one mode of transport. - 構成の分解。一方が時間の変化を、もう一方がある時点の内訳を示します。
The line graph tracks how the total changed over fifteen years, while the pie chart shows how that total was divided at the end of the period.
3つともやっていることは同じです。1文で2つの図を名指しし、両方をカバーする主張を置きます。どれもしないことにも注目してください。変化の理由は説明しません。データでは答えられないからです。そして数字を2つ以上並べることもありません。6つの数字を引用した概要は、要約の服を着た本文段落です。
実用的な確認方法があります。概要の文だけを単独で読んでください。まったく別の2つのグラフの上に置いても偽にならないなら、汎用的すぎて点になりません。2つ目の図を外した瞬間に崩れるなら、その文は仕事をしています。
本文の分け方:図ごとか、テーマごとか
概要が決まったら、細部は本文段落が担います。分け方は2通りあり、時間的压力に耐えるのは片方だけです。
図ごとに分けるとは、1つの図に1段落を割り当てることです。多くの受験者が既定で選ぶ形で、ページの順番をそのまま写すためです。弱点は構造にあります。図Aだけを説明する段落には比較する相手がなく、比較こそが Task Achievement が評価する点です。この基準は、識別可能な傾向、主要な変化、相違を強調して情報を比較・対照することを求めており、機械的に描写することは求めていません。
テーマごとに分けるとは、1つの比較に1段落を割り当てることです。各段落はその比較を支える図に依拠するので、1つの段落が折れ線グラフの中で始まり、円グラフの中で終わることもあります。
| 問い | 図ごとに分ける | テーマごとに分ける |
|---|---|---|
| 2つの図が出会う場所 | 概要の文だけ | 各段落の主題文 |
| 比較の文 | 少なく、多くは末尾に付け足す | 各段落の1行目に組み込む |
| 繰り返しの危険 | 高い。同じ文型の塊が2つ | 低い。段落ごとに役割が違う |
| 構成にかける時間 | 速く感じる | 遅く感じる |
| 書く時間 | 遅い。段落に論点がないため | 速い。主題文が数字を決めるため |
| バンド記述上の危険 | 機械的な列挙 | データの分類と傾向の識別 |

テーマ順のほうが時間圧に強い理由
テーマ順が強いのは実務的な理由です。細部を書く前に比較の文を存在させます。次に示すのは、下の実例で最初の本文段落を開く主題文です。
The line graph shows steady growth in public transport journeys, but the pie chart shows that this growth was not shared evenly between the two modes.
この文はすでに3つのことをしています。2つの図を名指しし、関係を述べ、それを支える数字を自分に課しています。先に書けば、その段落は整合的にならざるを得ません。最後に書くと、集めた数字が別個の比較に属していたと気づくのが普通で、その時点では段落を組み直す時間は残っていません。
折れ線グラフと円グラフの課題に対する、注釈付きの完全解答
次の課題は本記事のために書いた独自の練習問題で、数値は架空です。実際の過去問から取ったものではなく、2つの図が予測可能な形で関わり合うように選んであります。図の種類をまとめて確認したい場合は、グラフ・地図・プロセスの説明ガイドでそれぞれを個別に扱っています。
練習課題。 折れ線グラフは、ある都市の2005年から2020年までのバスと地下鉄の利用回数を示しています。円グラフは、2020年における交通手段別の全利用回数の割合を示しています。主要な特徴を選んで報告し、関連する箇所で比較して情報を要約してください。
| 年 | バスの利用回数(百万回) | 地下鉄の利用回数(百万回) |
|---|---|---|
| 2005 | 400 | 100 |
| 2010 | 410 | 205 |
| 2015 | 395 | 380 |
| 2020 | 380 | 570 |
2020年の円グラフは10億回の利用を3つに分けています。バス38%、地下鉄57%、その他の手段5%です。
模範解答(約200語)。
折れ線グラフは、ある都市で15年間に行われたバスと地下鉄の利用回数を比較し、円グラフは最終年の全利用回数を交通手段別に分解しています。全体として公共交通の需要は大きく伸びましたが、その伸びはほぼすべて地下鉄によるものでした。バスの利用は減り、2020年には全移動の半分以上を地下鉄が担っています。
2005年、バスは明らかに中心的な手段で、4億回の利用に対して地下鉄は1億回でした。バスの利用はその後10年間ほぼこの水準を保ち、2010年に4億1000万回のピークをつけたあと、2020年には3億8000万回まで下がりました。これに対して地下鉄の利用は、示されたどの期間でも増加し、2005年の1億回から2010年には2億500万回、さらに2015年には3億8000万回となって、ここで2つの手段は並びました。
円グラフはこの移行の結果を示しています。2020年には地下鉄が全利用の57%を占め、バスは38%、残りの5%がその他の手段です。つまり2005年にバスを中心に組み立てられていたネットワークは、バスの利用回数が緩やかにしか減らないまま、地下鉄を主要な担い手として期間を終えたことになります。
注釈。
- 最初の文が2つの図、それぞれの題材、単位を1文で示すので、読み手は概要に到達する前にページの中身を知ります。
- 「全体として」が概要の印で、この文は2つの図をカバーする比較の主張を置いています。数字は1つも出てきません。
- 第2段落は折れ線グラフを扱いますが、片方の線を2015年まで書いてからもう片方を2005年から書き直すのではなく、各時点で2本を組にして扱っています。
- 第3段落は円グラフを扱い、「この移行の結果」で傾向につなぎ直すので、図の切り替えが別の文章の始まりのようには読まれません。
- 引用した数字はすべて表か円グラフに存在し、変化の原因をでっち上げた文は1つもありません。
時間配分と、忘れられがちな2分
20分は、実際に使おうとするまでは余裕があるように聞こえます。以下の配分は上の模範解答を書いたときのもので、最初の2分が多くの人が飛ばす部分です。
分単位の時間配分
- 0〜2分:課題を読み、概要の文を書く。数字より先に関係を決める。
- 2〜5分:概要を支える数字を4つから6つ選び、本文2段落に対応する2組に分ける。
- 5〜15分:導入、概要、本文2段落を書く。170〜200語を目標にする。
- 15〜18分:すべての数字を図と照合し、各本文段落が比較で始まっているか確認する。
- 18〜20分:見つけた点を直す。書き直さない。
忘れられる2分は最初の2分です。2分目に「折れ線グラフは〜を示している」と打ち始めた人は、ページの順番どおりに2つの図を説明すると、気づかないうちに決めてしまっています。その1つの判断が、無関係な2つの説明を生みます。関係を決めるために2分を使うことが、それを防ぎます。
公開されている評価基準で答案を確認する
最後の読み直しが役に立つのは、何が数えられているかを知っているときだけです。4つの基準は Task Achievement、Coherence and Cohesion、Lexical Resource、Grammatical Range and Accuracy で、それぞれ独立に評価されます。採点でこれらの記述がどう使われるか不安な場合は、ライティングのバンド記述のガイドが4つの列の関係を説明しています。
| 基準 | 公開されているバンド7の記述が求めるもの | 自分の下書きに投げかける問い |
|---|---|---|
| Task Achievement | 明確な概要、適切に分類されたデータ、識別された主要な傾向または相違 | 答案の中に2つの図をカバーする1文があるか |
| Coherence and Cohesion | 論理的に整理された情報と、全体を通した明確な展開 | 各段落の1行目だけを読んで、読み手は私の比較を言えるか |
| Lexical Resource | 一定の柔軟性と正確さを可能にする語彙、文体とコロケーションへの意識 | 傾向を表す動詞は、不正確にならずに変化しているか |
| Grammatical Range and Accuracy | 一定の柔軟性と正確さで使われる多様な複雑構造 | while や whereas を使った文は、正しいのか、それとも長いだけなのか |
時間を計るときに覚えておきたい採点の事実が1つあります。Task 2 はライティングのスコアに対して Task 1 の2倍の重みを持ちます。Task 1 で時間を超過すると、得られるものより失うものが大きいということです。最初の2分を文ではなく判断に使う理由が、もう1つ増えます。
よくある質問
課題に2つのグラフがあるとき、概要は1つか2つか
1つです。概要は視覚情報全体が何を示しているかについての単一の陳述ではなく、単一の主張です。評価基準が求めるのは「明確な概要」であり、図ごとの印象ではありません。概要を2文にすると、たいていは2つの説明を書いてそれぞれの前に要約を置いたことになります。2つの図に測れる共通点が本当にない場合は、それを1文で述べて先に進んでください。その文が概要であることに変わりはありません。
本文段落は図に従うべきか、テーマに従うべきか
テーマに従います。2つの図が無関係な場合を除きます。比較を中心に組んだ段落は、両方の図の数字を置く自然な場所を持ち、それが「適切に分類されたデータ」の意味です。図ごとに分ける形が許されるのは、図の間に測れる関係がない場合、あるいは一方に独立した段落が必要な場合、たとえばプロセス図や地図のときです。その場合でも、各段落に概要へ戻る文を1つ残し、答案全体が1つの文章として読めるようにしてください。
最後の2分で何をすべきか
3つをこの順で確認します。1つ目は語数と数字です。引用した数字はすべて図に存在しなければならず、答案は150語に届く必要があります。2つ目は構造です。各本文段落はラベルではなく比較で始まるべきで、箇条書きはどこにも置いてはいけません。3つ目は概要です。単独で読み、数字が変わっても成り立つかを自問してください。成り立つなら、役に立たないほど一般的すぎます。
次に練習する場所
上の解答を紙に書き写し、タイマーを回して通すことが、概要が十分に早く来ているかを知る最短の方法です。最初の2分が反射になるまで繰り返し、数字を覚えてしまわないようにデータを変えてください。口頭試験の部分も同じ場所で練習したい場合、HiBay の試験対策教材には AI 会話パートナーとの IELTS スピーキング練習が含まれています。

