IELTS リスニング Part 1:フォーム穴埋めで「取りやすい点」を落とさない方法
Part 1 は会話 1 本についての 10 問で、そこで落とす点の多くは聴解力ではなく「書き方」の問題です。音声が始まる前にフォームを読み、答えの品詞を予測し、採点者が認める形で書く手順を解説します。オリジナルの 10 問ドリル(スクリプトと解答付き)もあります。**IELTS リスニング 模擬試験 解答付き** を使った練習にそのまま当てはめられます。

目次
IELTS リスニングの Part 1 は、日常会話 1 本についての 10 問です。そしてここは、バンド 5 から 6 の受験者が、聴き取りとは無関係な理由でいちばん多く点を落とす場所でもあります。数字は聞こえた。書きもした。それでも点は消える——フォームが 1 語しか許していないのに 2 語書いたから、あるいははっきり聞こえた名字の母音が違っていたからです。
この記事では、フォーム穴埋めを「聴解の問題」ではなく、まず「形式の問題」として扱います。この作業が何を求めているのか、音声が始まる前の 30 秒をどう使うか、答案用紙のどんな 4 つの癖が気づかないうちに点を奪うのか、そして IELTS リスニング 模擬試験 解答付き を自分専用の失点リストに変える方法を順に説明します。中ほどの 10 問ドリルは本記事のための書き下ろしで、スクリプトと解答も載せてあるので、音声なしで形式だけを練習できます。
Part 1 のフォーム穴埋めが求めるもの
リスニングは 4 つのパートからなり、各パート 10 問、合計 40 問、1 問 1 点です。Part 1 は日常的な場面での 2 人の会話、Part 2 は同じく日常的な話題のモノローグ、Part 3 と Part 4 は学習・学術の場面に移ります。録音は 1 回だけ流れ、設問は情報の順番どおりに並ぶので、2 問目の答えは必ず 1 問目の後に現れます(IELTS 公式のリスニング形式の説明、2026 年 11 月 3 日参照)。試験全体はおよそ 30 分で、Part 1 の 10 点は Part 4 の 10 点とまったく同じ価値です。
この等価性が、ここに時間をかける理由のすべてです。公表されている目安では、正答 23 問がバンド 6、30 問がバンド 7 のあたりで、必要な正答数は版によって多少変わります(IELTS の採点方法、2026 年 11 月 3 日参照)。2 つのバンドの差は 7 点なので、つづりのせいで Part 1 の 3 点を落とす受験者は、難しいパートに入る前にその差の半分近くを使い切ってしまっています。
- フォーム・メモ・表・フローチャートの穴埋めは同じ種類の設問で、設問の上に印刷された指示が条件を決めます。たとえば NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER です。
- 答えは録音からそのまま書き写します。公式の説明では、聞こえた語を書き換える必要はなく、語数制限を超えると点を失うとされています。
they'reのような短縮形は出題されず、check-inのようなハイフン付きの語は 2 語ではなく 1 語として数えられます。
音声が始まる前にフォームを読む
各パートは短い説明から始まり、紙の試験では設問が目の前にあります。この最初の数秒が唯一の準備時間なので、最初の空欄ではなくフォーム全体の形を見るのに使います。空欄ごとに 3 つを問いかけてください。どの品詞が入るか、指示は何語まで許すか、フォームにすでに印刷されていて繰り返してはいけないものは何か。

| 空欄の隣に書かれているもの | 予測すること | 書きながら確認すること |
|---|---|---|
Surname、First name | 人名。しばしば 1 字ずつつづられる | 音ではなく 1 字ずつの綴り |
Address、Road、Street | 番地と通りの名前 | どちらが番号でどちらが名前か |
Postcode | 短い 2 組の英字と数字 | 英字の部分。ここが最も抜けやすい |
Phone | 区切って読まれる数字 | 数字の桁数 |
Fee、Price、Cost | 金額 | 通貨記号がすでに印刷されているか |
Course、Class、Room | フォームに印刷された選択肢の 1 つ | 話し手が最初の選択肢を否定しないか |
この表を本番で使えるものにする習慣が 1 つあります。線を引くのはフォームの見出しではなく、設問の上に印刷された語数制限です。見出しは試験全体でほぼ同じ形ですが、制限は設問ごとに変わります。
人名・住所・数字:つづりを読まれるものと、認められないもの
Part 1 の答えはごく普通の語です。だから簡単に見えます。難しいのは、録音が 1 回だけ読み上げて先へ進む点で、綴りを直せるのは書いているその瞬間だけです。書いたものが採点者に見える答えと一致するかは、次の 3 つのルールで決まります。
- つづりは採点されます。公式の説明は明確で、綴りを誤った答えは点になりません。イギリス式とアメリカ式のどちらの綴りも認められるので
colourとcolorは正解、colurは不正解です。 - 大文字は罠ではありません。同じ説明で、答えは大文字でも小文字でもよいとされており、
MartaもMARTAも得点になります。すべて大文字で書くのは正当な作戦です。 - 数字は算用数字でも語でもよく、標準的な書き方はすべて認められます。
6.45、6:45、quarter to sevenは、指示の語数制限を守っていれば正解になり得ます。 - 単数・複数も答えの一部です。空欄を含む文が複数を求めているなら、語そのものが聞き取れていても単数で書けば不正解です。
この論点の多くを決着させる運用上の詳細を、ブリティッシュ・カウンシルの説明が補っています。誤答に減点はありませんが、つづりの誤りと語数制限の超過は誤りとして扱われます(ブリティッシュ・カウンシル:リスニング試験の理解、2026 年 11 月 3 日参照)。つまり、慌てて推測しても追加の損はありませんが、不要な語を 1 つ足した答えは 1 点まるごと失います。
気づかないうちに点を奪う 4 つの書き方
次の 4 つの癖は、正解を失点に変えます。どれも聴き取りの失敗ではないので、長く生き残ります。録音の中に、間違いを教えてくれる合図は一度も出てきません。
| 書いた内容 | 失うもの |
|---|---|
制限より 1 語多い。たとえば指示が ONE WORD ONLY なのに main entrance と書く | 正しい語が紙の上にあっても、その設問は不正解になる |
空欄の前に印刷された記号をもう一度書く。たとえば £ がすでにあるのに £20 と書く | 余分な要素が厳しい語数制限に数えられる |
| 空欄の前後に印刷された語を答えに書き写す | 認められるどの形にも当てはまらなくなる |
| 文が複数を求めているのに単数で書く、またはその逆 | 聞き取れていた答えが文法で落とされる |
5 つ目の癖も、形式の誤りではありませんが同じリストに入ります。聞こえた内容を言い換えることです。公式の説明は、録音の語を変える必要はないと述べており、言い換えは認められません。話し手が a quarter past seven と言ったなら、聞こえた時刻をそのまま書きます。もっと気の利いた言い方ではなく。
スクリプト付き 10 問のフォームドリル
次のフォームは本記事のために書いたもので、過去問ではなく録音もありません。代わりにスクリプトを載せているので、耳ではなく形式を練習できます。フォームを読み、スクリプトを隠し、誰かに普通の速さで読み上げてもらいながら空欄を埋めます。一人で練習する場合は、一度音読し、記憶で書き、最後に解答を確認します。
| 設問 | フォームに印刷された見出し | 答えの形 |
|---|---|---|
| 1 | Surname | 姓。1 字ずつつづられる |
| 2 | First name | 名。こちらもつづられる |
| 3 | Street address | 番地と通りの名前 |
| 4 | Postcode | 短い 2 組の英字と数字 |
| 5 | Phone | 11 桁の数字。区切って読まれる |
| 6 | Course | フォームに印刷された 4 つの講座のうち 1 つ |
| 7 | Start date | 日と月 |
| 8 | Fee | ポンド建ての金額。記号はすでに印刷されている |
| 9 | Class time | 時刻 |
| 10 | Please bring | 1 語。持ち物 |
このフォームの上には Write NO MORE THAN TWO WORDS AND/OR A NUMBER for each answer と書かれています。読みながらこの制限を意識してください。10 問のうち 2 問は、制限を超えたくなる誘惑があります。
Receptionist: Good evening, Meadow Lane Community Centre, Daniel speaking.
Caller: Hello. I'd like to enrol on an evening class, please.
Receptionist: Certainly. Could I take your name first?
Caller: Marta Wieniewska. That's W-I-E-N-I-E-W-S-K-A. Marta is M-A-R-T-A.
Receptionist: Thank you. And your address?
Caller: 42 Ashgrove Terrace. Ashgrove is A-S-H-G-R-O-V-E. The postcode is E-H-3, 9-L-P.
Receptionist: E-H-3, 9-L-P. A contact number, please?
Caller: 0-7-7-0-0, 9-0-0-4-1-2.
Receptionist: Which course were you interested in? We have pottery, photography, Spanish and yoga this term.
Caller: Photography, I think. No, sorry, pottery. The Tuesday one.
Receptionist: Pottery starts on 14 October, which is a Tuesday. The website said half past eight, but it actually runs from 6.45 until 8.30 in the evening. The fee is 84 pounds for the term.
Caller: And do I need to bring anything?
Receptionist: Just an apron. We provide everything else.
解答と、答えそのものより大事な補足です。
| 設問 | 答案用紙で認められる形 |
|---|---|
| 1 | Wieniewska |
| 2 | Marta |
| 3 | 42 Ashgrove Terrace |
| 4 | EH3 9LP |
| 5 | 07700 900412 |
| 6 | pottery |
| 7 | 14 October |
| 8 | 84 |
| 9 | 6.45 |
| 10 | apron |
補足を 3 点。設問 1 は大文字でも小文字でも構いませんが、1 字ずつ正しくないと点になりません。だから話し手はつづりを読み上げます。設問 6 には誘導があります。photography が先に出て、あとで否定される形で、正しい語をすでに聞いた後で Part 1 の点を落とす最も一般的なパターンです。設問 8 は pounds を書いてはいけません。記号がフォームに印刷されているからです。設問 9 は指示の制限を守っていれば 6.45、6:45、quarter to seven のいずれでも認められます。
1 回の模試を Part 1 の失点リストに変える
自分の癖は 1 回の模試で見えます。ただし、点数以外も記録した場合に限ります。Part 1 のあと、失った点をすべて 4 つの欄に分けて書き、書いたとおりではなく、答案用紙に書くべきだった形で記録します。

- つづり:どの語か、どの字を間違えたか、録音がつづりを読み上げたか。
- 語数:指示が許した語数、実際に書いた内容、それが何語だったか。
- 形式:繰り返した・書き落とした・フォームから写した単位や記号、括弧。
- 間合い:次の答えが来たとき、まだ書いていた設問番号。
4 つの欄で 1 週間は足ります。次の試験の前にリストを読み返し、ある欄だけ早く埋まるなら、それが Part 1 の対策です。つづりが中心のリストなら人名や通りの名前を音読して書く練習を、語数の誤りが中心なら毎問の前に指示に線を引き、書きながら語を数える練習をします。
よくある質問
IELTS リスニングはいくつのパートと設問で構成されますか?
4 つのパートに各 10 問、合計 40 問で、正答 1 つにつき 1 点です。Part 1 は予約や受講申し込みのような日常の用件についての 2 人の会話で、形式は IELTS Academic と IELTS General Training でまったく同じです。試験はおよそ 30 分、録音は 1 回だけ流れ、設問は情報の順番どおりに並びます。
IELTS リスニングの時間はどれくらいですか?
どちらの形式でも録音はおよそ 30 分です。紙の試験ではその後に答えを答案用紙へ書き写す 10 分があり、コンピューター版では聞きながら入力し、最後に 2 分間の見直しがあります。紙の 10 分は書き写しと確認のための時間で、聞き直すためのものではありません。録音は繰り返されません。
IELTS リスニングでつづりや大文字は減点になりますか?
つづりは減点になります。しかも厳格で、つづりを誤った答えは不正解です。ただしイギリス式とアメリカ式の綴りはどちらも認められます。大文字は減点にならず、答えは大文字でも小文字でも書けます。ほかに点を失う形式の誤りは 2 つで、語数制限の超過と、空欄の前後に印刷された語を書き写すことです。
模試 1 回を軸にした 7 日間の計画
1 日目にリスニングを 1 回分通しで解き、Part 1 は点数ではなく 4 欄のリストで復習します。あとはリストが示した内容から逆算して組み立てます。
- 1〜2 日目:人名 20 個、通りの名前 10 個、郵便番号 10 個を音読してつづり、記憶で書き取ります。
- 3〜4 日目:Part 1 を 4 問解き、指示に線を引く、答えの語数を数える、記号がすでに印刷されているか確認する、の 3 つだけを行います。
- 5〜7 日目:時間を計って Part 1 を通しで解き、解答を書き写し、録音を聞き直す前に解答で採点します。
関連する 2 本の記事が全体像を補います。リスニングの通し練習をパートごとに振り返る では Part 1 が試験全体のどこに位置するかを、正解しても失点するつづり・単複・数字の罠 では同じルールを他のパートで練習できます。まず上のドリルを済ませ、次に 4 欄のリストを横に置いて模試を解いてください。本当に癖が変わったかどうかは、2 回目の点数が教えてくれます。

